クーデターを起こしてから実権を握り続け、民政移管後も正式に首相となったタイのプラユット氏が失職のピンチを免れた。タイの憲法裁判所は9月30日、首相の任期が今年8月で切れたはずだと主張する野党の訴えを退け、首相任期は継続しているとの判決を出した。
任期期限は2025年4月となったが、その地位は必ずしも安泰とはいえないようだ。

失職のピンチ脱出 でも安泰ではないタイ首相 「任期継続」判決(朝日新聞)
タイ憲法裁はこの日の判決で、首相任期は新憲法が施行された17年4月から始まると判断。
9人のうち6人の判事がその判断を支持した。これにより首相は職務に復帰する。

 陸軍司令官だったプラユット氏は8年前の14年5月22日、クーデターを実行。軍政が議員を任命した国民立法議会で暫定首相に選ばれ、同年8月25日に就任した。19年の総選挙で親軍の連立政権ができて首相に選出され、就任した。

 17年4月に施行された新憲法で首相任期は最長8年と定められた。野党は、プラユット氏の任期は暫定首相の在任期間を含み、8月24日までと主張し同22日に憲法裁に訴えを申し立てた。憲法裁は同24日に首相を職務停止とする仮処分を出していた。

 首相任期については憲法施行時を起点に25年までとする解釈と、19年6月に正式に首相に選ばれた日を起点に27年まで続くとする解釈があった。

 憲法裁はこの日の判決で、首相任期は新憲法が施行された17年4月から始まると判断した。
9人のうち6人の判事がその判断を支持した。これにより首相は職務に復帰する。