もしかしたら2018年、タイ最大の話題はもうこれで決まり、とさえ言い切れるような世界的なニュースとなった、チェンライ洞窟、13人奇跡の救出劇。
その13人がお揃いのユニフォームに身を包み、7月18日に会見を行いました。
洞窟内に入るのは1時間のつもりだった、食料はなく9日間、水だけで過ごした…驚異的な精神力です。動き回らないで静かに救助を待った、それが自分にできるか?
この会見で見た光景は「同じことが日本で起こっていたら果たして助かっただろうか、これはタイだからこそ乗り越えられたのでは?」との思いでした。

 
少年たちが行方不明になった時、日本であれば真っ先に「自己責任論」が問われたのではないか、ということ。コーチも付き添って居たのに、、、なぜ。しかしタイでは大きな声にならなかった。タイ政府高官が「コーチが責任を感じて気に病まないようにしてほしい」との声明も出しています。
タイ国民全体がこれを「善行」の機会と捉えて、国全体が盛り上がりました。その機運は世界をも巻き込みました。これはタイ人の持つ「信仰心」が核となった。

メディテイション、瞑想も大きく寄与したと言います。個人的にもタイで会得したかったものです。信仰心、瞑想、、、信じる想い、大きなことを教えられた気がします。

チェンライについては多少の知識はあったつもりでしたが、この知らなかったタムルアン洞窟。間違いなく奇跡の洞窟として今後、観光化されるでしょうね、信仰の対象にもなりそうです。それもタイ、タイのそんなところも好きです。


データ:
少年らは6月23日、サッカーの練習後に洞窟へ入り、豪雨による増水で外に出られなくなった。
国際的な捜索態勢がとられ、7月2日に洞窟入り口から約5キロ入った場所で見つかった。8〜10日にダイバーの誘導で順次脱出し、チェンライの病院に入院していた。


 タイ北部チェンライ県の洞窟で遭難し、奇跡的に発見、救助された少年サッカーチーム「ムーパー(イノシシ)」の選手12人(11―17)とアシスタントコーチの男性(25)の計13人が18日、救出直後から入院していたチェンライ県内の病院を退院し、記者会見した。

 記者会見は午後6時に始まり、約1時間続いたが、13人はいずれも元気な様子で、「助かったのは奇跡」「食料はなく、洞窟内に滴る水だけを飲んだ」なとと語った

 サッカーチームの13人は6月23日に洞窟に遊びに行った際に、雨による増水で入り口が塞がれ、洞窟奥の岩の上に避難した。タイ当局は6月24日から本格的な捜索を開始し、7月2日夜、英国人のダイバーが、洞窟の入り口から2キロ以上入った場所で、13人全員が生存しているのを発見した。

 遭難した13人にダイバーが食料などを届けることは可能になったが、洞窟内は人1人が通るのがやっとという狭い箇所がある上、複数の場所で水没し、地上に連れ戻すのは困難とみられた。7月6日には、使用済みの酸素ボンベを洞窟奥から潜水して運び出す作業を行っていた元タイ海軍特殊部隊のタイ人男性が洞窟内で意識を失い死亡し、救出作業の困難さが改めて浮き彫りになった。ただ、タイは雨期の真っ只中で、大量の降雨があれば、13人が避難している場所も水没する恐れがあり、タイ当局は8日、危険を覚悟で救出作業に踏み切った。 

 救出作業には英国の洞窟潜水専門家や米軍、洞窟潜水の経験が豊富なオーストラリア人医師、タイ海軍特殊部隊などが参加。少年らがパニックに陥らないよう鎮静剤を服用させた上で、潜水装備を着用させて、洞窟内の水没した箇所を潜水させ、水がない場所はストレッチャーに乗せて運ぶなどし、10日までに全員を無事、地上に連れ戻すことに成功した。

■劇的救助、世界が注目

 今回の遭難事故は、少年らが半ば水没した洞窟の奥深くで10日間も生き延びた末に発見され、困難を極めた救出作戦が各国の支援の下、無事成功するという劇的な経過をたどり、世界的に注目を集めた。現場には洞窟の排水、別の入り口の探索、物資の補給などのため、様々なタイ政府機関の職員やボランティアが1000人以上集結。国内外の報道陣数百人も詰めかけた。

 タイ国内では多くの人が救出作業に声援を送り、国民の一体感が増したその一方、救出された13人のうち、少年2人とアシスタントコーチが無国籍という事実も明らかになった。ミャンマー、ラオスと国境を接するチェンライ県は無国籍の山岳民族やミャンマー、ラオスからの不法移民が多い。こうした土地柄を反映した形だが、無国籍の3人はいずれもタイ語が堪能で、タイ国内に「よそ者の救助に多額の税金を投じた」といった批判はほとんどみられない。タイ政府は3人にタイ国籍を与える方針を示しており、無国籍者の問題はこのまま幕引きとなる見通しだ。

 洞窟内の潜水作業にはタイ国内のダイビングショップで働く外国人ダイバーも参加した。こうしたダイビングショップは実質的に外国人が経営していることが多く、厳密にはタイの外国人事業法に抵触する恐れがある。タイ当局は外国人経営とみられるダイビングショップの取り締まりを強化していた最中で、思わぬところから助っ人が現れた格好だ。

 遭難事故をめぐるタイ国内の報道には一部から厳しい目が向けられた。飛行中のタイ当局のヘリコプターの近くにドローンを飛ばす行為があったほか、関係者へのインタビューだけで具体的な状況が伝わらないなどと批判を受けた。インターネット上では、日本のテレビ番組が紹介され、模型を使った現場の説明や再現ドラマなどが「言葉はわからなくても状況がひと目でわかる」「タイのメディアも見習うべき」などと評判を呼んだ。 《newsclip》