国王に代わろうとした男、タクシン。
いまやエグザイル、漂泊者タクシン。
国外に追いやられててもタイ国内で絶大な力を発揮し続けて来た、その幻影は、タイ軍事政権によって、限りなく小さなものに、そんな印象を抱きます。
このまま彼の存在はタイの歴史において「無かったもの」とされていくのでしょうか。

タイ法務省がタイ警察など関係機関と協議し、タクシンの警察官時代の地位をはく奪することで了解を得たと発表。
タクシンは有罪判決が確定した人物であり、タクシン自身も自らの指令により、警察官僚地位の剥奪させたこともあり、これは違法なことではないとも強調しています。

タイ国外で、軍政批判を繰り返すタクシンにダメージを、と知恵を繰り出す暫定政権。
報道では「階級剥奪は元首相にとって実質的なダメージとはならないが、非常に不名誉なことであり、タイ国内におけるイメージに影響する」とも。
さて現実はどうなっていく?

タクシン元首相の階級剥奪、プラユット首相が進捗状況を確認(バンコク週報)20150811


 タイでは軍人や警察官が退役後も現役時の階級を「元」をつけずにそのまま肩書きとして使うことが認められているが、これを認めないことにする「階級剥奪」をタクシン元首相に適用することについて、プラユット首相がこのほど法務省に再チェックするよう要請した。
 国外逃亡中のタクシン元首相は、警察官僚出身で、その階級は警察中佐。また、元首相が外国で折に触れタイの国益を害するような発言をしていることから、警察内部では先に元首相の警察官階級剥奪に関する検討が行われた。
 関係筋によれば、階級剥奪は元首相にとって実質的なダメージとはならないが、非常に不名誉なことであり、タイ国内におけるイメージに影響するという。