「米国は合同軍事演習を今後もタイで実施すべき」

 タイ軍と米軍がタイで主催している合同軍事演習「コブラ・ゴールド」について、米議会で「来年もタイで実施すれば、タイ軍による全権掌握、国家統治を認めることになる」などとする批判意見が出たことに対し、国家平和秩序評議会(NCPO)のプラチン副議長(空軍司令官)は6月25日、 「演習実施は、主催国のタイと米国双方の利益になっている。他国で実施すれば、タイも米国も不利益を被る」と述べ、同演習を引き続きタイで実施すべきとの考えを表明した。


アメリカ政府が米タイ合同軍事演習の開催を今後は他国でやるべきでは、との意向を示すことでタイ軍事政権へのプレッシャーを掛け始めています。「アメリカはクーデターに賛同していないぞ」と。
同様にヨーロッパからも制裁措置の声が上がっており、民生化への具体的な動きが鈍るタイ軍事政権に対しての外圧は高まるばかり。
「軍事政権、経済制裁」といえばお隣ミャンマーの専売特許だったのはもう過去の話、まさかタイに移ってこようとは…
自国のことはほっといてくれ、と言える時代ではなく、軍事政権へのプレッシャーはタイ国そのものへの外圧となって来る、それが深刻なモノへとならないうちに、手を打って行かないと!

EU、タイとの外交関係を縮小へ―軍政に制裁措置(The wall street journal)
2014 年 6 月 24 日 10:29

【ルクセンブルク】欧州連合(EU)は23日、タイで最近クーデターが起きたことを受け、政治協定の締結を保留とし、公式訪問を一時停止するなど、同国との外交関係を縮小する方針を明らかにした。
 EUは当地で開いた外相理事会で、計画中の貿易協定交渉を凍結することも示唆し、タイの国内情勢が悪化すれば追加制裁を発表する可能性があると述べた。
 外相理事会は声明で、最近のタイの動向について「極めて重大な懸念」を表明した。タイ新政府に対し、政治犯の釈放に加え、これ以上の逮捕者を出さないことや検閲の撤廃を要請…

 声明では「EUはタイとの関係を絶えず見直す方針であり、状況次第では、可能な追加措置を検討する」と述べた。…EUはタイにとって第3位の貿易相手でもある。



EU、タイとの外交関係を縮小へ―軍政に制裁措置(The wall street journal/2014 年 6 月 24 日 10:29)

【ルクセンブルク】欧州連合(EU)は23日、タイで最近クーデターが起きたことを受け、政治協定の締結を保留とし、公式訪問を一時停止するなど、同国との外交関係を縮小する方針を明らかにした。

 EUは当地で開いた外相理事会で、計画中の貿易協定交渉を凍結することも示唆し、タイの国内情勢が悪化すれば追加制裁を発表する可能性があると述べた。
 外相理事会は声明で、最近のタイの動向について「極めて重大な懸念」を表明した。タイ新政府に対し、政治犯の釈放に加え、これ以上の逮捕者を出さないことや検閲の撤廃を要請した。
 EUは「全国民の保護と安泰を確保するため、十分に機能する民主主義制度を復活させる必要がある」と指摘した。

 タイ国軍のプラユット陸軍司令官は先月、軍が全権を掌握したと宣言した。この2日前には、失職したインラック前首相の支持層と反対派との間で政権抗争が長期化する中、陸軍が戒厳令を布告していた。

 EUは昨年11月、タイとの政治協定の締結を初めて承認しており、締結が実現すれば、すでに交渉が始まっていた新たな貿易協定の成立に道が開けるはずだった。
 外相理事会は「タイ・EU間の公式訪問を一時停止した」としたほか、「民主的に選出された政府が発足する」まで、政治協定である「パートナーシップ協力協定(PCA)」の調印は見送る方針だとした。

 さらに「必要に応じて、他の協定にも影響が及ぶだろう」としており、加盟国がタイとの軍事関係の見直しに着手していることを明らかにした。あるEU関係者によれば、貿易交渉をいつ再開するかについては未定だという。

 声明では「EUはタイとの関係を絶えず見直す方針であり、状況次第では、可能な追加措置を検討する」と述べた。
 タイへの投資額はEUが第2位。また、直近の年間統計によると、EU・タイ間の輸出・輸入総額はほぼ300億ユーロ(約4兆1500億円)で、EUはタイにとって第3位の貿易相手でもある。