タイ。死が間近いブンミは義妹を呼び寄せる。
彼は義妹や、姿を変えて現れた亡妻たちと森に入る。生死を優しく捉えたファンタジー。カンヌ映画祭パルムドール。

タイ映画として史上初めてカンヌの栄冠を得た「ブンミおじさんの森」、日本の評論家内の評判はいかに…

  • プリミティブ(渡辺麻紀・星3つ)
    ティムバートンが選んだ、という視点で見ると面白い。いかにも彼が好きそうなホラ話な上に、自然を活かした映像は水彩画のように美しく、視覚効果はSFXどころかトリック撮影という言葉がふさわしいほどプリミティブ。プリミティブなアートが大好きなティムが魅了されたのも判る。

  • オープンマインドな人向け(折田千鶴子・星3つと半)
    これがパルムドールとはやっぱり審査員バートンの完全なる嗜好だったと思う。言うなれば、目を開いたまま夢をつぶさに見ているという感覚というか、妙にリアルで普通に信じられるような。疑問が残って解釈できない部分もありつつ、緩さも含めてチャーミングな愛すべき不思議ちゃん映画

  • ストレンジ(森直人・星4つ)
    ティムバートン文脈で言い表すならスピリチャル版「猿の惑星」じゃないですか!
    ヒアアフターへの回路をじっくり開いていく特異な話法にニンマリ。グローバル化という観点を基軸に「告白」やソーシャルネットワーク」をぐるっと回転させると、この映画があるといった感じ。
(星5つが満点、以上「TVブロス」より)

総じて高評価。
しかし全部ティムバートンがらみ!というのが特筆され、肝心のタイの監督に対してのツッコミが無いのは気になるところ。

気になる方はぜひ自分の目でご確認を。
予想としてはかなり気分的に余裕を持たないと難しい?