たとえばバンコクのインパクトアリーナのようにフェス会場までそれなりの距離があれば気合いも入らざるを得ませんが、チェンマイの様なタイの地方都市なら「ちょっとお出かけ感覚」で会場に行けるところが、すごく特別な感じなんです。
でも逆にそれに慣れてしまうと大体中身も行く前から想像してしまったり、観るモチベーションにも多いに影響します。

そんなことを想いつつ、お出かけして来ました、エアポートプラザの駐車場まで、FAT FESチェンマイ

1_kanban

今回辛いのは出演者のほとんどが前知識ゼロのアーティストだらけ、ということで。それをどこまで我慢できるかwそのへんは様子を見ながらw 去年見たBrandnew Sunsetは今年も参加しているものの、いわゆるビッグネームは居ない? その判断さえつかないw

それにしても、とにかく会場に来て驚いたのは、観客の年齢層の「絶対的な若さ」というか、それはもう驚愕もので。殆どみんな高校生のような。いわゆるティーンエイージャー。
で、25歳以上のタイ人のヤングアダルト層さえ見掛けられないような。これはもうFATで聞ける音楽の質が本当に若い層だけの限定した音楽になってしまっている、と。
日本の紅白歌合戦のように各世代で聴く音楽が分断されて来ている......タイってそうじゃなかったんですけどね、少なくとも5、6年前までは。その影響か、ここ数年国民的ヒット曲って出ませんよね。

2_abuse

さて今年3回目というチェンマイでのFAT。食わず嫌いで知らないでいた多くのアーティストは皆個性を出して演奏してました。
3ピースバンドのAbuse The Youthには「若さ」というか「ひたむきさ」。大人のプロフェッショナリズムとは対極にあるような音楽への姿勢を見せてもらいました。SEK LOSOみたいな余裕のステージを展開するベテランの姿を見慣れて来ていると、それは新鮮に映りました。音はもうそのまま日本のメロコアバンドと対峙できる様な今どきの疾走感に溢れています。女性ドラマーが顔を紅潮させてまでフルレンジでプレイしているのを見て、ประทับใจมาก、大満足です。

3_drummer

観客は開演時は少なくて、やっぱり景気が影響しているのかなあと想いましたが、いやいや。夜も7時を過ぎる頃になると、どんどん人が増え始めて、ポリスの車も出て来て、ロックバンド中心の右ステージには、人相の悪そうな若者たちが集まり始めました。
一方の左側、ポップなバンドが集まったステージは女の子の観客を中心に盛り上がります。下写真はFridayのステージ、よく人も入り、黄色い声も多く。

4_friday

いつものエアポートプラザの駐車場に入り切れないくらいのバイクが集まって、集客に貢献しただろうFATフェス。
100バーツの入場料で出入りも可能、おかげでナカヌケしてアパートで休息、monotoneやsqueeze animalなど初めてみたバンドもあり。
音楽イベントが例年よりも少ない感じがするのでこのFATは良いカンフル剤になったかもしれません。

5_bran

もはや貫禄?のBrandnew Sunset。曲が聞き易くなっていたようにも。観客には目つきの鋭い不穏な若者たちが増え始めますw

2010年1月30日 チェンマイエアポートプラザ駐車場特設ステージ(17:00ー24:00)