日本テレビ「真相報道!バンキシャ!」 6月21日放送
「日本で人身売買 衝撃の実態」 
人身売買の被害者、38歳のタイ人女性がインタビューに答える。
「逃げることできない」「(逃げれば)殺される」日本で人身売買。衝撃実態。
「出稼ぎ費用は最初の約束は250万円、でも成田に入ったら500万と言われた」
出稼ぎの組織を被害者女性に紹介したのは、タイ女性(タイ在住)だった。
5年間で150人のタイ女性を組織に紹介した。
売春をすることは知っている、女性には借金があるから。組織には日本人が居る、と。
組織で用心棒をしていたというA氏(日本人63歳)に聞く。
「タイの人身売買組織は私が知る限り8つ。その半分が日本人の組織。1年に1000人を日本に送っている。」
組織はボスを頂点とした15人ほどのグループでほとんどが日本人。
ボスの下に、手配師、パスポート調達係、日本語の教育係、そして運搬係(ジョッキー)が居る。送られる(被害に遭う)女性はアヒルと呼ばれている。
ジョッキーの後ろをちょこちょこ歩いて着いて来るだけ、だからアヒル。

入国手口は?
「今の流行は"なりすまし"」
本物のパスポートを借りたり、買ったりし、そのパスポートの顔写真に似た女性を送る。
A氏が実際に使っていたという教育マニュアルを見せる。
入管でのやりとりの例、たとえば「ご主人のお仕事は何ですか?」「会社員です」といった言葉がローマ字で記されている。

東京入国管理局(成田)の担当官に確認する。「なりすましというケースが増加傾向にあります」
このなりすましの手口は今では不法入国の3割を占めるという。

被害にあったタイ女性も答える。
「パスポートは本物だけど(写真は)自分じゃないの」
彼女はやはりなりすましで入国していた。

再びA氏が答える。
「(似ていても違う部分がある場合は)整形をおこなう。鼻の高さ、二重なんかは当たり前、あとホクロとか」
手術代は日本円にすると、鼻の整形3万円、二重まぶたへの整形2万7千円、目の下の脂肪吸引3万円など日本に比べれば格安。
こうした徹底の準備のもと、なりすましが行われていた。

A氏いわく「タイ側の組織は、借金として250万円。女性が日本側に付いて生活費の名目でさらに日本の組織が女性に250万の借金を背負わせる。その500万円、全額返すまで逃げられなくする。」
「たとえば脅し、自分の両親、家と土地とかそういうものが無くなるよ」と。「納得できない女性は締め上げる。逃げることは出来ない。」
家族を人質にとり、自由を奪う方法。
被害女性は結局5年間日本で働かせ続けられた。もう日本へは行きたくない、と。

それでも日本への出稼ぎ希望者はあとをたたない。
タイの農村部に住む19歳の女性。
「(だまされる確立が50パーセントなら)日本へ行きたい、5歳の妹の学費を稼ぎたい」

去年の人身売買がからむ検挙数は36件、しかしそれは氷山の一角だと言われている。

スタジオ。菊川怜。
「こちらは火曜日に発表されたアメリカ国務省の資料。日本の覧にはYAKUZAという言葉が。被害者は恥ずかしさや暴力に寄る報復を恐れ、当局に進んで助けを求めることはしない、と女性が置かれた状況を報告しています」