2007年12月28日

クリックとタイポップスの関係/Play Back Thai-Pop Music 20075

2007年のタイポップを振り返って……
本来であれば07年タイ・ポップBESTアルバムなど発表したいところですが、それほど量を聞いているわけではありませんし、どうしても紹介したい、これは最高!と勇気付けられたモノも思いつかない……それでも今年も引き続き何枚かCD評を書いていますので、それはここをご覧いただくとして……。

噂に聞いていたグラミーのCD訪問販売も実際にこの目で確かめましたし(多分あれは歩合制なんでしょうね)、日本同様、タイでもCDは本当に売れていない状況。ネットの配信などもタイでも考えていかなければこのコピー文化の中、本当に音楽企業にはジリ貧の状況になる……
そこで注目されるのはライブの重要性、日本でもコンサートやロックフェスは今でも活況・人気ですからね。

そこで、ボクなりのタイポップ2007の振り返りは、いまタイポップに蔓延しているクリックについてまとめてみたいと。タイのプロフェッショナル・ライブでのクリック(同期)の使用は当然のように行われており、それが規定事実のようなところがあります。
世界的にはクリックはライブ内で限定的に、それとなく使う、というのが一般的かと想いますが、タイでのその使用率は異様に高い、それも本来ナマの面白さをもっとも必要とするロックという領域において多いこと、そして新人バンドほど使用している感覚が多いことに危機感を感じています。

クリックの功罪については、一度書いているので、それを読んでいただくとして、
クリックとライブとの関係について、「クリックの権化」ともいえるYMO(イエローマジックオーケストラ)の細野晴臣氏が、日本の雑誌の対談で、たいへん興味深い発言をしているので、大切な音楽資料として(何よりボクの備忘録として)それをご紹介したいと想います。
そしてそれをボクなりの2007年、タイポップ総括にしたいと。

ライブは生もの。その場でしか再現できないドラマチックなもの。
でもクリックでは本当の音楽の面白さ、奥深さは生まれてこない。生の面白さは生まれない、今でもその気持ちには変わっていません。
クリックに異議を唱えるタイミュージシャンの声が出てくることを切に願います。


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細野晴臣と星野源の地平線の相談
「ライヴ嫌いを直す方法をおしえてほしーの。」

星野:僕はライヴが好きになれないんですよ。どっちかというとレコーディングとかCDを作るのが好きで。
細野:同じだよ。
星野:ジャケットの打ち合わせなんかしてると楽しくて。でもほかのメンバーはみんなライヴのほうが好きで。僕が舞台やドラマ出てる間はライヴができないからちょっと不満を漏らすんですよね。それでどうしたものかなあ、と。

細野:僕はライヴ大嫌いだったんだよね。はっぴいえんどの頃からそうだったんだけどスタジオで音楽を作ることが目的だった。だからはっぴいえんどの時はライヴ用の練習をしなかったの。で、そのまま出て行ってたら「へたくそ」って言われてた(笑)
星野:でもあの頃のライヴ音源を聞くと上手いなあって感心しちゃいますけど。
細野:でしょう(笑)。初めて出たときにバラバラだったの。その印象がずっと引きづられちゃったんだね。本当は一人一人上手いのに。
バンドってやっぱり練習しないと駄目なんだよ。それでますますスタジオワークが好きになっていったんだ。スタジオで作り込んだ音楽をライヴでコピーしようとしても、忠実にはできないから欲求不満がつのる。でも当時はみんなそうだったんだよ。「スタジオの音が再現できないからコンサートを止める」ってビートルズ先生がおっしゃったわけだから(笑)」<*1966年頃の話>。さらに(ビーチボーイズの)ブライアン・ウイルソン先生も「自分はスタジオワークのほうが好きだ」とおっしゃってライヴに出なくなった。(ビーチボーイズの)ツアーは弟や従兄弟たちに任せてね。
星野:僕もそうすればいいんですかね。

細野:僕もそう信じてきた。つい2ヶ月くらい前までは。
星野:えっ??

細野:ここ2年くらい東京〜ザ・ワールド・シャイネスとライヴをやってきて、そのたびにその場で新曲増やしていったの。飽きちゃうからね。で、この間出たアルバム「フライング・ソーサー1947」はライヴで積み重ねていった結果をスタジオで録ったの。初めての試みでね。今までと逆。
星野:一発録りに近い……
細野:うん。そしたらね、演奏のノリがびっくりするぐらいスゴいなと思って。
星野:ほお、すばらしいですね

細野:ライヴでやった曲をレコーディングする。これが自然なんじゃないかって。なんでそこに気づかなかったんだって。YMO以来緻密に作ったヤツをステージにデスクトップを持ち込んでね、おまけにクリック聞きながらやっていたのなんて、もう、イヤだなと思って(笑)。
星野:確かに。サケロックも一緒に出させてもらった福岡の演奏は楽しそうでしたものね。あれは本当に感動的でした。途中で間違えたのも含めて。
細野:そうライヴって昔は間違えたら立ち直れなかった。今は間違えてもいいやって、ユルい感じになって。僕はライヴが嫌いじゃなかったということに気がついた。
星野:なんだか少し気が楽になりました。
(TVブロス2007年10/27-11/9号より)

参考*
第112回 ─ 細野晴臣×星野源(酒石)、元祖&新鋭熱帯伊達男異国情緒対談(bounce.com)
http://www.bounce.com/article/article.php/3279

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