ランナー、静かなるアーティスト宣言
lanna3rd2004年デビューから年に1枚のペースで届けられたランナー・カミンの3rdアルバム。
前作のAvril Lavigne風ロックやラップとのコラボレーション等の流行の贅肉をそぎ落とした。アイドルではない、ランナーの主張が詰まった興味深い一作。全10曲33分(2006年9月発売)。
(すっかり定着、GMM流COPYコントロールの)CDをスタートさせると、ゆったりと爪弾かれる生ギターのアルペジオ、それに生ピアノのフレーズが重なると、ランナーが静かに歌い始める……。
昨今のフック重視の派手なアルバム作り(1曲目に全てを惹き付け、その後急速にガソリン切れパターン)とは明らかに違う趣き。
全編を覆うのは生ギターを中心としたアコースティックな響き
そしてスンやサローといった北タイ民族楽器の多用。彼女の歌の原点であるチェンマイ・スタイル、ランナー様式を前面に押し出した仕上がり。

アルバムは尻上がりに良くなる。
個人的なお気に入りはM-6。ボー・ディドリービート(セカンドラインとも呼ばれる)に絡むスライドギター(ボトルネック奏法・ウネウネ聞こえるアレです)。アルバム唯一のハードな?ナンバーは今どきのR&Bなどではない、土着的な黒っぽさがカッコいい。
前作(2nd)のAvril Lavigne風Girlロックや、HIP HOPテイスト、ラップとのコラボレーション等々の(ランナーにとっては)余計な流行の贅肉をそぎ落としたシンプルで力強い、そして「私にはコレしかない!」と静かに主張する、そんなアーティスト宣言ともとれるアルバム、(地味との評価が下るかもしれませんが)ボクは大いに支持します
公式website:www.lannacommins.com

P.S.そろそろランナーのお母さんの店、行ってみないとなあ、何のためにチェンマイ住んでるのか分からない・笑。

追記:ライブレポート
Lanna Commins Live at Houn Soontaree(2006/10/27記)

lanna1st1stアルバム Lanna Commins(2004年6月発売)
デビュー曲♪ワイ・ジャイ・ダイ・ガーはまさに発明クラスの出来。
歌唱力も含め、ランナーの将来性を確信できるアルバム。

lanna2nd2ndアルバム yin-dee-pee-ra-gaa (2005年6月発売)