Rockし続けてくれ! セーク!
blackwhite昨年のSek the Collectionが殆どベスト仕様だったので、全て新曲の本作の登場は、まさに待望。軽快なロックンロールの奥に潜む、泥臭いRockアーティストSEK LOSOの底力を見せ付ける久々の力作。
「日本の骨なしVisual Rockなんか真似てる暇があったらこのアルバムでも聞き直せ!」と今時のタイお子ちゃまロックに喝を入れる全11曲44分!(2006年7月発売)
M-1♪エーン(Do you know what I mean?)の明るいノリでこのALを聞き通そうとすると少々無理があるかと想います。このALにはそんな引っ掛けがあります。
セークのコンサートを見れば分かりますが、彼は広いファン層に受け入れられる楽しい側面も持ったエンターテイメントなアーティストですが、一方ではよりプリミティヴなRock表現、たとえばギター音を延々フィードバック(ハウリング状態)させてエフェクターをいじるなどジミ・ヘンドリックスばりのパフォーマンスで、観客を閉口させてしまう側面も持っているのです(Rockなボクには自然ですけど)。
メディア先行チューンとなっている最初の曲がブギタイプのギターリフで、もうこれぞセークみたいな、痛快なロックンロールなんですが、それはSekの表の顔
sekBWinsideこのALの聞き所は間違いなく後半、特にM-9からラストまでの3曲の流れは絶品。この作品でセークの目指したものはズバリJohn Lennonのソロ初期作品「ジョンの魂」や「イマジン」のような肌触り。つまり、より原始的なロックへの回帰かと推測します。
M-9.Yahng-Nun-Reuはモノラル処理のPianoの音が切なく「ジョンの魂」の音作りを連想させます。この曲、ホント良い、セーク自身が弾いてるから良いんだと想います。
そしてラストのM-11.Murng-Garnは傑作
タイのオリジナルなロックとして鮮烈なイメージを焼き付けてくれます。ロックの王道リフと土着的なタイ歌唱法の融合。ボクならこの曲を1曲目に持ってくるかな。そうしたらCD売れないでしょうけどw。

バックは先ツアーでコンビネーションもバッチリのファラン・リズム隊(クリスbass&エリックDrums)と、元LOSOのラットがベースで参加。これでヤイも戻ってくれば……なんて想ってしまう貴方は正真正銘のLOSOファンですね。

少し気が早いですが、2006年T-POP、T-ROCKベスト1とさせて頂きます。
もうセーク、ほんとアンタだけが頼りだよ……

*なお、このCDは画像や歌詞、M-1,M-4と2曲のMUSIC VIDEOも入っていますが、最近GMMに多い、COPYコントロール仕様です。ボクのMac MiniではiTunesで読めましたが。