dekliange兄アサニー(タテ長顔)、弟ワサン(メガネ長髪)のチョーティクン兄弟の3年半ぶりの新作デック・リアン・ゲ the shepherd-boy(羊飼いの少年)はデビュー20周年記念アルバム。
前作が2002年、その前が1997年なので、ここ10年で3枚というタイでは異例中の異例の寡作ぶり。1985年デビューの、歌うmore music社長、まさに生きるT-POP伝説の新作。全14曲52分(2006年4月発売)。

05年2月に津波チャリティーイベントThe Light of Loveでトンチャイ、マイクロなど大物を差し置いて堂々トリで登場、レスポールギターをグイグイ弾いていたアサニー。TVで放送されたものを見ましたが、正直いまどきのT-POP歌手群に入ると「この人たち、何処のオジサン?」というヴィジュアルでしたがw、イイ音出してましたよ。やっぱり年季が違うし、何より「現役」な感じがあって良かった。
それから2年余り、届けられた新作は、ハードなギターリフが印象的なタイトル曲♪デック・リアン・ゲで幕開け。サビでは女性コーラスのソロパートが添えられるアレンジ。このパターンは2003年センヤイ・コンサートDVDでも重要なパートを占めていて、今ではアサニー流アレンジと解釈して良さそうです。

sosadM-2、3は先行チューンとしてTV、Radioで流された♪so sad、♪ヤーク・ハイ・ユー・ドゥアイ・マイ。特に後者は必殺循環コードT-POP、キーもドンズバGなので瞬時にローコードでアナタもギターで弾けます、みたいな曲(G-A7-F#m7-Bm7-Em7-A7-D7)。こんなの、そこいらへんの新人バンドが歌おうものなら、後ろからドロップキックでも見舞ってやろうかというベタベタな歌ですが(未だにタイでは多いw)、コレをタイで始めたのが彼ら、つまり元祖、なのですから、リスナーにしてみればこれぞアサニー!となるわけです。多分タイ人も一番安心して聞ける(歌える)トラックでしょう。
アルバムはこの3曲でちょっとガソリン使い過ぎといった感もあり、特にM-5は(イントロはイエスみたいでカッコ良いのに)歌に入ると途端に、アジアでは多大な影響を及ぼしたというX-JAPAN的ドカドカリズムになって、ツインリードのハモリに鼻をおさえたくなります。
それでもM-7の生ギターのストロークやM-10のちょっとコミカルなリズムと王道ロックの融合など、随所に心地よさを漂わせたアルバム。最後M-14のリプライズ的なサイケな処理に、彼らのルーツはビートルズ? と思わせる一端も。
いずれにせよ、ファンにはいつものアサニー節満載の、安心したつくりの仕上がり。イムパクト3日間も瞬く間にSold Outしたようで、久々のコンサートも豪華なバンド編成で貫禄のステージを見せてくれることでしょう。

伝説のバンドの新作、アナタもこれを聴いてT-POPルーツ探索の旅に出ませんか?
7ch夜の番組mo-chitにアサニーワサンがゲスト出演。