alloveragainタイのアレサ誕生への布石?
2003年Sony Music BEC TEROからデビューした男女デュオ(Vo.NUI&Key.PEACH)The Peach Band。以来3年近いインターバルとは昨今のせわしないタイmusic sceneでは珍しいパターン。今作はcrescendoのDr&Bassらをゲストに向かえ、よりハイクオリティな音を目指した、満を持して放つ自信作。2006年2月発売・全11(+2)曲54分。

先の7C コンサートがかなり参考になりましたね。あの数曲でこのアルバムの“芯”は見えてました。(Liveで好感触→CD購入というのは至極真っ当なアプローチ、いくらテクノロジーが発達しようと音楽はこうありたい)。
M-3 DAWN(インスト曲)からM-4ユーコンディアオ(一人ぼっち)がこのALで最大の聞かせ所。短いインタルードから本編という流れは明らかに1stの♪ウォーンのスタイルを世襲するもの。「これが我々の新曲ですよ!」というアピールでしょう。前作と違うのは前に2曲を置いたところ。アップテンポでGroovyなナンバーの後でより映える選曲は効果的。なおこの曲はイントロで♪every time you go away〜と口ずさむのが正しい聞き方。あ、そういうの「パ○リ」なんて音楽知能指数の低い言葉で表現するのは止めて下さいね。KeyのPeachは(タイ人には珍しく)多様なPop Songを聞いていると想像できます。
CD冒頭からM-5までの曲選はとても妥当な流れ、T-POPでは珍しい整合性、この辺にも非凡なセンスが。全体的にアレンジや音色のクオリティは前作よりも上昇。正直あの♪ウォーンでさえ「打ち込み臭さ」にちょっとノレない部分がありましたしね(ヘッドフォンで聞くと良く分かります)。
M-8,9あたりのバラードが次のシングル候補でしょうか。思わず「コレ、吉田美奈子?」「てことはローラニーロ?」なんて連想をしてしまうゴスペルタッチな音作りが広がります。このディープさはタイでは稀有な世界。この曲をたとえばエンドルフィンのダーような歌唱力のある女性Voに力強く歌ってもらえれば「タイのアレサ・フランクリン誕生」も夢ではないような気がします。
チェンマイにツアーで来ないかな、The Peach Band。
peac1st
1st.AL/The Peach Band Is More Complicated Than Visible。2003年6月発売。
ヒットした♪ウォーン(お願いだから)を含むデビューアルバム。ただのアイドルアルバムかと想ったらちょっと違った、みたいな。今となっては貴重な才能の萌芽? 機会あればご視聴を。