

1995年タイ・オルタナ創世期にデビューしたスマイルバッファロー。デビューアルバムこそ一定の評価を得たものの尻すぼみ。タイでは珍しいベース&リードヴォーカル、そしてキーボードが入った4人組編成も目を引いていた(らしい)。そんなバンドの中心人物だったディットとテンが10年ぶりに新たなバンドをスタートさせた。それがこのsniper。
まずボクはtenのten soloという作品をそのジャケットアートも含めてとても評価しています。
全てのT-POPの中から3枚選べ、と言われてもその中に選ぶかもしれません。歪みすぎないピッキングニュアンスの伝わるギター、静かだけどグルーヴィ、メロディアスな曲調……ten soloというアルバムはそのtenの歌声だけでなく、曲作り、アレンジ能力、そしてギターの音作りにおいてT-POP内では異例とも言える繊細さを持っていました。
今回のスナイパー、その流れはどう生かされたか?
M-3がマレーンマン(7chの音楽番組)でかかった時から想ってましたが、アルバム全体を覆う基本的な音作りはエコーの多い「ライヴな音」、素朴でシンプル、乾いた「デッドな音」づくりだったten soloとはまさに正反対。これはリードヴォーカルの大半を担当するディット(ベース)の影響かと。逆に今時のタイロックを聞いている多くの人達には違和感なく聞けるでしょう。
M1からM3まで、その「今時のタイロック」的楽曲が続き、M-4のtenのvoiceにBANDイメージの広がりが見えてきます。直感的にディットは非常に今時のロックな志向、tenはもっと繊細な生音(なまおと)を大事にした音作り、曲作りを志向しているのかな、と。
このディットとテンの音楽性、そして伸びるヴォーカルの掛け合い、絡みがこのsniperの最大の特色かと。そして今回もキーボードが入った4人組なので、この編成もT-POPでは大変珍しい。
前々からtenのGuitar Playには注目していたので、sniper、ライブあったら是非見に行きたいですね。BKKだけでなく国内ツアーもやって欲しい。
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