
そこで遅ればせながらブディストのファーストにしてベストな装いのアルバムをご紹介!
Buddhist Holiday
タイにおいて良質のインディーな(coolな)作品を多く輩出しているSonyのBLACK SHEEPレーベルから昨年暮れに発売された1st。全11曲、48分。
彼らのプロフィールなどはこちらを読んでください。ではalbum reviewを。
一聴して「こんなバンドもタイに居るんだ」、そう感じる貴方はかなりの音楽通かもしれない。
そのものずばりのギターを主体としたバンドサウンドだが、勢いで圧倒するのではない、一音一音、言葉を響かせるロックとでも言おうか。
音作りの基本はリードギターのリフ、フレーズを軸にもうひとつのエレキギターが重なってくる。また殆どに生ギターが薄く乗る。この生ギターの音がもっと深みが欲しかった気がするが。おそらく彼ら自身も、楽器録音やmixについてはもう少しネバりたかったのではなかろうか。
ただ、別の言い方をすればギミックなしの一直線、ストレートな素の彼らがそのまま伝わってくる音になっている。また、最初はvo.kittiの優しげな声に隠れてしまうかもしれないが、ずっと聞きこんでいくと意外なほどの楽曲やサウンドの骨太さに気づくはずだ。
タイのロックシーンは10年ほど前からオルタナというキーワードで語られることが多いし、現にその流れでビッグになったバンドも少なくない(たとえばsillyやblackhead)。
しかし、このbuddhistのバックボーンにはもっとトラッドなブリティシュブルースロックの響きが漂っている。
タイでも人気のあるリンキンパークやレッチリのような音圧派ではない、あえていえばレイディオヘッドやブラーといったイギリスの内省的なバンドが想起されるだろうか(Buddhist自身は日本のゆらゆら帝国がお気に入りらしい)。
個人的にはリフ主体のロックナンバーだけでなく、
M-6ナーリカー(clocks)のような開放的なイメージの楽曲も盛り込んでいけば、ずっと音楽性や客層にも幅が広まるようにも。
いずれにしてもタイの定評ある音楽雑誌の新人賞を受賞したのもうなずける深淵さを兼ね備えたバンド。
日本のPOP MUSICファンも欧米や国内J-POPの過剰な情報量の日常から抜け出して、すぐ目の前にやってくるタイの音に触れてみるはいかがだろうか。
彼らブディストホリデーの本質はステージ上でこそ最大限発揮されるもの。
渋谷と横浜の公演で「タイロックの現在」、そしてその「裾野の広さ」を十分体感して欲しいと想います。
追記資料:buddhist holiday来日インタビュー(タイ王国.com)
Comment
恥ずかしながらブディストホリデーに関しては全く知識がなく、CDも未だ入手していません。
しかし、ブリティシュブルースロックとのキーワードには非常に惹かれますし、タイでは貴重な存在かも知れませんね!
週末のライブに行けるかどうかは、まだ不明なのですが、私も彼らの日本での活躍への期待と応援をしたいと思います。
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