
5月のタイフェスティバルではカラバオとともに来日、日本での知名度も高めたランナーカミンの2ndアルバム。
1stの親しみやすく素朴でアコーステイックな響きを継続しつつも、
冒頭の2曲ではヒップホップやブラックミュージックの要素を取り入れたアレンジで新しい一面もアピール。全10曲、37分。
M-2にはMAFの日本人DJマーがAdditionalアレンジで参加している。
ランナー期待の新譜はアルバムタイトルともなっているyin-dee-pee-ra-gaaで幕を開ける。
タイのアルバムは全般的に1曲目に最高の出来の曲を持ってくる場合が多々だが(1曲目だけが良いという弊害も?)このアルバムでもこのM-1が一番練られた曲かと想われる。
CではなくBメロが最大の聞かせ所、というのがミソ。徐々に盛り上がるドラマチックな構成、オリエンタルな響きに西洋的なラップの融合。
ピーラガーとは「酉年」のこと。「酉年万歳」?そんな意味?
なぜ同タイプの曲を続けたのかは?だが、
M-2.What I amを最初聞いたとき、チャイナドールズBWのタイトル曲を想い出した。
サンプリングSEを散りばめ、グルーヴィな曲調...といえば聞こえは良いが、M-1との最大の差はBメロがCへの繋ぎでしかない所かと想う。ブレイクのあと始まる字余りぎみのCメロ(大サビ)も弱く聞こえ、それが「タイ式R&Bの類型」に陥って、「ま新しさ」が生まれてないようにも。ただし「類型」だから受け入れられる、ヒットするという側面もあるだろう。間奏のラップはコラボレーションというより「乱入」だろうか?
いろんな意味で勉強させられる曲。
参考:A-B-Cに辟易 T-POPの曲構成
M-6.Mai-pen-rai
折り返し、アナログLPならB面1曲目(そんな表現する人、もう居ないよなあ...)。このアルバムのベストトラックのひとつ。聞き手(観客)に語りかけるようなランナーの姿が浮かぶ。
こういう歌唱力ではランナーは新人の中では頭ひとつ抜けている。彼女の武器だろう。
歌詞の詳細は分からないけど、「大丈夫よ、元気を出して」みたいな歌かな?
この次のM-7.That's all I'm asking forとあいまって、アコースティックな響きがランナーの世界へいざなう。Liveで、生ギターと歌だけのアンプラグドコーナーを作って欲しい、そう想うのはボクだけだろうか。
M-9のNever Againではアルバム唯一のハードな曲を。タイフェスでもsillyやBIG ASSをガンガン歌っていただが、本人もリンキンパークなど大好きらしい。
ランナーはアルトだから、声を張り上げたハードな曲よりも「聞かせる」タイプの曲の方が説得力が増す。隠し味として、こういうハードなのも用意しておくとステージングの幅は広がるだろうが、落とし所はやっぱりアコスーティックだと想いますよ、ランナーは。
もしかしたら流行りのAvril Lavigne流?なのかな。
ラストM-10のTABU。タイトルは鮮烈でもメロディ、フレーズとも留まらず、流れてしまう感じ。エピローグとしてアルバムラストを意識した曲だろうが、いっそM-2やM-9で派手に終わらせても良かったのでは?

これを武器に2005、どのようなステージングでランナーはLive展開をしていくのか?
やっぱりシリーとか歌っちゃうの? 止めて欲しいなあ、オリジナルで良い曲いっぱいいあるのに。
*写真は内ジャケットのM-150の広告。このセンスには唖然(苦笑。
Comment
1回、コメント送ったのに反映されなかったもので。。。24時間位したら、コレ削除して下さい。スミマセン。
会社(グラミー)は、このランナーの事をどう扱ったらイイのか苦慮しているのかな。。。このアルバム、1曲目の『イン ディー ピー ラ ガー』が看板だと思いますが、どうも最初のプロモーションでイマイチとみたのか、2曲目の『ケー カウ チャイ』の方を押し気味ですね。更にもっとより広く受け入れ易そうな『マイ ラック マイ ワー』を押し出したりして。。。
カド スワン ゲーヲのどこかに『イン ディー・・・』の撮影風景の写真が張り出されていたとの情報を得ました。この撮影、お金掛かっていると思いますが。。。
何は、ともかく、『イン デ ー・・・』を中心に置き、後は1,2枚目の中の曲を散りばめた、彼女のショーをインパクト・アリーナ辺り是非やって貰いたいものです。
1F正面入ってすぐ左手、柱に張り出されてますね、地味に。
PVはマジメに見てないのですが、どっちにしてもランナーは「今時のPV向き」アーティストではないでしょうから。
>『イン デ ー・・・』を中心に置き、後は1,2枚目の中の曲を散りばめた、彼女のショーをインパクト・アリーナ辺り...
キャパ的にはタイ文化センターで十分ですが、そういうフツーの(日本的な?)過程を踏ませないのがタイなのでしょう。はっきりいってランナーのステージディレクター(アレンジャーか?)はセンス無さ過ぎです。素材を生かしきれてない。バックアップ側の問題。
どこかに情報が無いでしょうか。
お聞かせ下さい。
http://www.thaipoppers.com/
ランナーはパブなどでのLiveは少ない方ですが、全く無いわけではないので。先日もチェンマイのマンダレーバーに来てました。M-150の(紅一点)メンバーでもありますし。地道にチェックしてください。
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